どうも最近書評の難しさに困惑している黒鳥です。
インプットに比べてアウトプットってすごい難しいよね…
とうことで「お金原論」の書評です。
著者はどんな人?
著者は泉正人という人です。
ファイナンシャルアカデミーグループ代表、一般社団法人金融学習協会理事長という肩書を持ってます。
自らの経験から金融経済教育の必要性を感じ、ファイナンシャルアカデミーを設立、学校運営を行っています。
ただ出版本数の割にwikipediaがなかったり、顔写真が少なかったり、セミナーの評判があれだったり。
ちょっと胡散臭い印象を受けました。
あくまで個人的にですが(笑)
どんな本?
本書はサブタイトルが「30代で知っておきたい「お金の知性」の高め方」となっておりバリバリお金の話となっています。
前半部分ではお金の本質とはなにかを観点に話が進みます。
マネーリテラシーが低い勉強を始めたころであれば何かしら得られるものがある内容だと思います。
けど今の自分だと得られるものはなかったかな。
それに自己啓発臭くて少し辟易しました。
ビジネス本、お金に関する本は全部多かれ少なかれ自己啓発本なのかもしれませんが(笑)
著者独自の理論は後半から展開されます。
7つのお金の教養
そもそもお金の教養とはなにかというと、このようになっています。
これからの社会を快適に生き抜いていくために不可欠いえるこの「お金を扱う力」を、本書では「お金の教養」と定義づけている。
p101
そしてお金の教養には7種類あり、
- 考え方
- 貯め方
- 使い方
- 稼ぎ方
- 増やし方
- 維持管理
- 社会還元
となっています。
基本的には文字通りの内容ですが、以下一部気になったものを抜粋。
考え方
考え方は少し分かりにくいというか説明が少ないのであまり理解できませんでしたが、他のお金の教養の基礎となる部分のようです。
例えば、「必ず儲かる株式投資法!」「株式投資で生き抜くには」という投資の本が二冊あった場合、後者の方が良書である可能性が高いです。
そもそも必ず儲かる投資方法はありません。従って必ず儲かると謳っている前者は読む価値が低い本である可能性が高いです。
このようにテクニック(前者の本)よりも思考や習慣(後者の本)の方が大事である。
こういったことが判断できることが考え方のようです。
使い方
生活費以外に月2万円必ずお金を使うということを最近しています。
そこで気づいたのがお金の使い方は難しいというもの。
使い方もお金の教養であるという著者の主張は自分も同意です。
本書では支払った金額と比較してどの程度の価値が得られたかで投資、消費、浪費を定義しています。
投資と聞くと証券等を思い浮かべますが、ここでは得られた価値が金額以上であれば投資と定義しています。
ですので、高級レストランでの食事も人としての教養や経験が高まったのなら投資となります。
そうなるとここで毎月浪費をすると宣言しましたが、これは経験を積むという目的なので投資にあたるのでしょうか。
お金を使う際に、毎回「得られるであろう価値」を予測して判断することも当然のことながら、「実際に得られた価値」という結果を判断することを習慣化する。
p120
また得られる価値の予測だけでなく、実際に得られた価値を見極めることも大事だと著者は説いています。
たしかに物を買う前におおよそ費用対効果を予測や考慮することはあっても、実際に得られた価値を見極めることはあまりしていなかったと思いました。
よっぽど期待外れかいい意味で裏切られたりしない限りは実際に得られた価値を見極めたりしませんからね。
増やし方
本当の意味で冒してはならないリスクは、「このままでは老後の生活費が足りないかもしれない」といった自覚がありながら、策を講じずに放置しておくこと、つまり「投資をしないリスク」をとり続けることではないだろうか。
p154
正直増やし方の章ではあまり得られる部分はなかったのですが、上記の文は非常にそうだと思いました。
自分の根底にある考え方の一つに、目に見えるリスクを嫌って未知のリスクを取るよりも積極的に既知のリスクを取りに行くというものがあります。
この考えに関してはすごく深い(テーマであるの思っている)ので別の機会で詳しく書きたいと思います。
投資には確かにリスクがあります。それは資産が上下するリスクです。しかし逆に言えば(現物であれば)それだけがリスクであるといえます。
では投資をしないスクとはなんでしょうか。実はこの時のリスクは目に見えません。投資をした時との比較をしてようやく投資をしないリスクが見えます。
面白いのは投資をしない方が良いこともあることです。しかしこれはそういう場合もあるということでリスク管理としてはダメです。もしかしたら自分が許容できないリスクが待っていた可能性もあります。
そういった意味で、冒してはならないリスクは(未知のリスクである)「投資をしないリスク」をとり続けることというのは正しいと思います。
お金の教養にはステージがある
お金の教養は7種類でしたが、それぞれに5段階のステージが存在すると著者は説いています。
そのステージ表およびチェックリストがこちらになります。
やり方は単純で教養毎にステージ1から5まで当てはまるものにチェックを付けていきます。
その後ステージ毎にチェック数を合算します。一番チェック数が多いステージがあなたのお金の教養ステージです。2が平均的、3あれば平均よりも上だそうです。
さらに教養毎に一番チェックが多いステージを見つけて、自分の各教養がどのステージなのか判断します。
これによって今の自分のレベル、足りないものを把握することができ次の行動も見えてくるというわけです。
ちなみに私は総合的なステージは3、各教養は社会還元が2でそれ以外は3でした。
項目を見ていると3と4で大きな壁があるように感じます。
3まではある程度受動的にいけそうですが、4からは能動的に動かないといけないような作りになってますね。
とりあえずはステージ4を目指して頑張ろう。うん。
気に入った文章抜粋
得られるお金の量(サイズ)は、マーケットによって大きく違ってくるというわけだ。
p22
事実については、正しい情報として100%受け止める。しかし、そうでないものは、あくまでも相手の意見であり、相手の主張であるというフィルターをかけて受け止める。
p219
まとめ
本書の内容は若干自己啓発臭いところを除けば初心者向けの良い本だと思います。
ただ、個人的な印象として胡散臭い印象を受けました。
この理由として著者がセミナーを行っており、そのセミナーの目的が受講者のお金の教養ステージを4に引き上げることだからかなと感じました。
お金の教養ステージが4ではないということは(私含め)低い教養ステージにいるわけです。
つまりセミナーは初学者向けの内容ということになります。
初学者向けのセミナーというのは本来であれば歓迎されるべきものですが、ことお金に関するものになると如何せん詐欺の臭いが付きまといます。
お金のセミナーに来る初学者は初学者ゆえにだましやすく、お金を持っている可能性が高くカモにしやすいためです。
このため自己啓発ぽい内容と相まって胡散臭く感じるのかなと。
セミナー自体は無料のものと有料のものがあるそうです。
本自体は初学者であれば一読しておいても損はないかなというものなので、読んで気にいったのなら無料のセミナーに出てみるのも良いかもしれませんね。
ではまた!




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