どうも、研修中にも関わらず早速反省文を書かされた黒鳥エリ男です。
ここで書いたにも関わず、早速へまをしでかしてしまいました。
まぁそんなことはさておき、今日は最近読んだ「私の財産告白」の紹介をします。
著者はどんな人?
この本の著者は本多静六という方です。
この方、すごい人なんですよ。
東大教授、日本の公園の父、投資家、大富豪、慈善活動家と幅広い肩書を持っています。
1866年生まれ1952年没という一昔前の方ですが、今現在でも尊敬している方が多くいらっしゃる傑物です。
貧乏な農家に生まれながらも苦学の末、東京山林学校に入学。死ぬ気で勉学を続け(実際にあまりの不出来さに自殺未遂を起こしています)首席で卒業。ドイツへ留学し、帰国後は東京農科大学(現東京大学農学部)で教授として活躍しました。
その傍ら、後述する貯金方法と投資で40代にして今の価値で100億円の資産を築き、老後その資産の大半を寄付したという経歴を持っています。
いやーすごい人過ぎて何も参考にならないんじゃないかと思ってしまいますが、そうじゃないのが本多静六氏のすごいところ。
本多静六氏は「人生即努力、努力即幸福」を信念に誰にでもできることをコツコツと続けて結果を残したところに大きな意味があります。
成功者の本はたくさんありますが、そのほとんどが時代や背景が違うとうまくいかない、再現性の低い内容が多いです。
対して、本多氏はどの時代にあっても強力に機能する、再現性の高い方法を残しています。
そのため、一昔前の本であっても読まれ続けているわけです。
どんな本?
著者である本多静六氏が自身の人生を振り返りながら、お金や仕事についての考え哲学を語る本です。
元々は「人生と財産-私の財産告白」というプレミア本でしたが、少し前に三冊に分割されて復刊されました。
以下気になったところを紹介したいと思います。
月給4分の1天引き貯金

本多静六といえばこれ。
本多氏の莫大な資産はこの貯金法によって元手を作り運用することで得られました。
その内容はズバリ毎月手取りの1/4を天引きで貯金し、ボーナスなどは全額貯金するというものです。
毎月残った金額を貯金するのではなく最初に貯金をして、残ったお金で生活するというスタイルですね。
しかも定額ではなく定率貯金です。このため新人の給料が低い時ほど苦労します。
実際本田静六氏も
そこで買物はすべて現金、月末になるとその現金がなくなってくるので、毎日胡麻塩ばかりで済ませたことさえある。
と語っています。
そして、生活のランクを落とすことは上げることよりも困難なためできることなら早い時期、初任給で四分の一貯金を始めるべきです。
そもそも最初から貧乏生活であれば贅沢を覚えて余計に苦労することもありませんからね。
次にこの貯金法でどれくらい貯まるかですが、仮にボーナスを月収3か月とすると
年貯金額=(月収12か月分*1/4)+ボーナス3か月分=月収6か月分
が貯まります。
3年続ければ月収18か月分、月収を20万円とすれば360万円が貯金されている計算になります。
もしこれを年率5%で運用できたとすると360万円*0.05=18万円となり、新たな収入となります。
この収入に対しても同様に4分の1貯金法を活用します。
そのため月の生活費は
月の生活費=20万円*3/4+18/12*3/4=約16万円
となり、生活はどんどん楽になるのに対して、資産は増えていくという良いスパイラルが作られます。
二割利食い、十割半分手放し

本多氏は前述の貯金法で元手を作り投資と不動産特に山林で一財産を成します。
しかし、今の日本で山林で大きく資産を形成することは難しいと考えられます。
このため、本多氏の森林投資はあまり現在では参考にならない印象を受けました。
対して、株式投資の考えは今でも参考にできるものが多いです。
そのうちの一つが二割利食い、十割半分手放しです。
まず前提条件として氏は先物取引で株の売買を行っていました。
本多氏は投機はするべきでなく、あくまで堅実な投資をするべきであると説明しています。
これだけ見ると先物取引で投機を行っており矛盾しているかのように見えます。
しかし、最初から買い取れる金額を用意しており、どうなっても借金を負うような事態にはならないようにしていたようです。
ではなぜ先物取引を用いていたかというと、その取引が容易だったからだそうです。
昔はネット取引もないので株券そのもののやり取りよりは、先物の方が売買がし易かったのでしょうね。
もし、先物が引取り期限までに下がった場合はその分の金を用意してあるから買い入れます。
逆に値上がりしたら売却を行います。この時の基準が2割です。
2割上昇したら欲を出さずに売却を行い、それを銀行定期に預けるという流れです。
すでに元手から二割上昇しているので、銀行に預けたとしても普通の株よりは利回りがよいからそれで満足するという考えですね。
では買い入れた株はどうするのかというと、放置です(笑)。
元々無理のない投資であるため、たとえ下がったとしても回復するまで塩漬けということですね。
そして回復どころか急騰して買値の倍になることもあります。
その時行うのが十割半分手放しです。
価格が買値の十割増しになったら所有している株の半分を手放し、元手を回収します。
これにより残った株はただで手に入れた株であるから損のしようがないという考えですね。
また、投資先も三十業種以上の業種に優良株のみを選んで分散投資を行いリスク分散を心がけていたそうです。
職業の道楽化

本多氏は何も投資にばかりかまけていたわけではなく、仕事にも精を出しました。
そして仕事に対する考え方が職業の道楽化です。
職業を道楽化する方法はただ一つ、勉強に存する。
(中略)
迷わず、疑わず一意専心努力するにおいては、早晩必ずその仕事に面白味が生まれてくるものである。
一度その仕事に面白味を生ずることになれば、もはやその仕事は苦痛ではなく、負担ではない。
歓喜であり、力行であり、立派な職業の道楽化に変わってくる。
つまり、仕事に面白味を見つけることができれば苦痛ではなくなり、むしろ喜びへと変わるということですね。
そして面白味を見つけるための方法が努力であると。
このブログの目的でもあるサラリーマンの生存戦略としてこれほど合致するものもないのではないでしょうか。
道楽化できれば仕事が楽しくなり、おそらく力もついていることでしょう。
そうなればクビされにくいどころか、会社がなくなっても転職先も容易に見つかるという状況にもなります。
まさに我々一介のサラリーマンが目指すべき状態であるといえます。
気に入った文章抜粋
紹介した本は非常にためになる本で全部は紹介しきれないというのが本音です。
そこでこの記事を読んでもらった方に少しでも興味を持ってもらえるように私が気に入った文章を抜粋したいと思います。
したがって、投資戦に必ず勝利を収めようと思う人は、何時も、静かに景気の循環を洞察して、好景気時代には勤倹貯蓄を、不景気時代には思い切った投資を、時期を逸せず巧みに繰り返すよう私はおすすめする。
p48
失敗なきを誇るなかれ、必ず前途に危険あり。失敗を悲しむなかれ失敗は成功の母なり。禍を転じて福となさば、必ず前途に堅実なる飛躍がある
p119
さてここに凡人者の天才者に対する必勝ーとまではいかなくとも少なくとも不敗のー職業戦術がある。
それは「仕事に追われないで、仕事を追う」ことである。つまり天才が一時間かかってやるところを、二時間やって追いつき、三時間やって追い越すことである。
p189
まとめ
以上本多静六著「私の財産告白」の書評でした。
読んでみての感想として凡人がどうすれば幸せになれるかがキーワードだと感じました。
著者は十分天才だと思いますが、それでも本人は凡人であるといっています。
もし本当にそうであるならば、我々凡人であっても著者のように努力を続ければ著者のようになれる。
そんな期待をさせてくれる本でした。
それも他の成功者の本は再現性の低い内容が多いのに対して、「私の財産告白」は再現性の高い、いわば泥臭いひたすら努力の観点に立っているからかもしれませんね。
今回初めての書評でやり方わからなくてすごい手間取りました。
ただ、非常に良い本であるので少しでも魅力が伝わっていればうれしいです。
ではまた!
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